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Vol.1「大きな樫の木の下で」
1998.05.31〜オークス/エリモエクセル
感無量のウイニングラン、エリモエクセル&的場均
Carrot Lunch Photo Service
5月31日、東京競馬場で「オークス−優駿牝馬−」が開催された。
今年も4歳牝馬たちによる熱い戦いが繰り広げられた。
馬でいう4歳は、人間に例えると丁度Teenager真っ盛りといった所だろうか。

4月に行われた桜花賞、そしてオークス。
この二つのレースを見て、私は「櫻の園」という映画を思い出した。
ある女子校の演劇部で舞台が行われるまでの出来事や部員達の葛藤を描いた作品である。 多感な時期の女子学生たちが、一つの舞台を作り上げるまで繰り広げられる物語。様々な出来事を乗り越えて、舞台を成功させた彼女たちが最後に櫻の木の下で記念写真を撮る綺麗なエンディング。この映画全体を通して、ある意味で神聖的なイメージが漂っていたような感じがした(内容にあいまいな部分があるかも(^^;)。
桜花賞、オークスといった「旬」の世代たちによるレースにある意味で「神聖的」な雰囲気が感じ取ってしまうのは、私だけだろうか。

さてオークスである。
1番人気は桜花賞馬ファレノプシス。
「胡蝶蘭」という意味の名前を付けた馬の連覇なるか、それとも……? 有力馬数頭が骨折や脚部不安などで回避し、レベルが下がったと言われているが、大きな樫の木の下で、17頭の牝馬達が、緑が鮮やかな東京の坂を駆け抜けていった。

しかし勝ったのは、エリモエクセル
北海道の「えりも農場」から2頭目のG1馬が誕生し(昨年エリモシックがエリザベス女王杯を制覇)、そして初のクラシック制覇となった。 エリモというと、吉田拓郎が作り、森進一が歌った「襟裳岬」を思い出す。「襟裳の春は、何もない春です」と歌っている曲だが、思えばこの農場では冬には悲しい出来事があった。
今年古馬になって活躍するはずだったエリモダンディーが1月、日経新春杯で重賞勝利をした直後に骨折し、それから腸捻転を起こして数日後亡くなってしまったのである。たまたまTVで彼の走りを見ていたのだが、あまりにもすごい走りに圧倒された。こんなに強い馬がいたのか……私は思わず感嘆とため息を出してしまった。
これからの彼に注目していたのに。
メジロブライト、シルクジャスティスとの同世代対決を楽しみにしていたのに……。
そしてエリザベス女王杯馬、エリモシックの引退。
暗く、悲しい話が続いてえりもに春が来るのだろうかと思っていたら、オークス制覇で一気に春がやってきた。えりも農場の人達は、心からホッとした事だろう。
襟裳岬に春を呼んだエリモエクセル。彼女を樫の女王に導いた騎手は的場均。
そう、エリモシックをG1馬に導いたのも彼の騎乗だった。そして今回も……。
もっと早く気づいていれば良かった。

桜花賞馬ファレノプシスは最後に力尽きてしまった。
距離が前回より長いだけで、こんなに違ってしまうのか。それとも、エアデジャヴーと駆け引きをしているうちに、先頭を走っている馬を見失ってしまったのだろうか。ファレノプシスをマークして2着に終わったエアデジャヴーもしかり。いずれにしても二人がこれで終わったとは思えない。
秋のクラシックでは、更に成長した彼女たちに会いたい。

牝馬クラシックレースの頂点を決める「オークス」。
オークスは、彼女たちのそれぞれの思いがこの2400mの走りの中ですべて表しているんだなと思いながら、このレースを見ていた。
Last Update:1998/06/10
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