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起こって欲しくない事が起こってしまうなんて……今でも信じられない。
私はこの年の秋の天皇賞をWINS後楽園で見ていました。本当は昨日のうちに馬券を買って、当日は自宅でＴＶ観戦のつもりだったのですが、後楽園に到着した時には５時ギリギリだったので、買いたい馬券が買えなかったのです（滑り込みで枠連を買ったけど）。それで、今日昼間にもう一度WINSに行ってきたのでした。でも本当は昼過ぎに買ったら家に戻って自宅でゆっくりと観戦するはずだったのが、教会での話し合いが長引いてしまって、後楽園に着いたのが午後３時10分過ぎになってしまいました。
発走20分位前のWINSはかなり混雑していて、熱気がわき上がっていました。私は買いをある程度決めていたので、あまり迷うことなく買えました。
ちなみに私の予想は以下の通りでした。
◎ シルクジャスティス（そろそろグランプリの意地を見せてくれそう）
○ サイレンススズカ（最後にペースが落ちるかも……）
▲ ステイゴールド（Ｇ１連続２着が侮れない）
△ メジロブライト（調子の良い時に戻りつつある感じ）
単：９番 シルクジャスティス
枠：１−７、２−７、７−７
馬：１−２、２−９
（今思えば、何でスズカの単勝を買わなかったのだろう…(^^;）
馬券を買った後、WINSを出て電車に乗ろうと思って時計を見たら、３時１５分。
これじゃ家に帰ってもＴＶ見られないと思い、しばらくドーム周辺をブラブラしていました。ドーム近くにある野球グッズ売り場に行ったり、WINSのグッズ売場にも行って、ナリタブライアンの携帯電話用マスコットシール（電磁波除去付）を買ってきました。そして発走の時間が近づいてきたので、エレベーターでＡ館4Ｆまで上がってモニターの所まで行きました。
Ｇ１ファンファーレが鳴り、館内でも大歓声が響きました。私はウォークマンでＮＨＫのＴＶ音声の実況を聞きながら、モニターでレースを見てました。スタートからサイレンススズカは飛ばす飛ばす。予定通りとはいえ、1000ｍの時点で10馬身も離して、最後の直線でバテないかと思ってしまう位でした。金鯱賞でも宝塚記念でもスズカはかなり飛ばしていたけど、直線では余力を残したから。でも快調過ぎる位飛ばすスズカを見てたら、このまま勝っちゃいそうだな〜と、スズカの単勝を買わなかった自分を後悔しそうになりかけました。そうしたら……。
サイレンススズカが失速した瞬間、悲鳴と驚きが場内を包んでました。 今年に入って他の馬に抜かれたスズカを見たことが無いから、この光景を見た時は夢かと思ってしまいました。でも現実の出来事だった…。主役が欠け、一気に混戦モードに入った直線コース。ゴールを制したのは、何と８歳馬オフサイドトラップ。２着にステイゴールド、３着にはサンライズフラッグという大波乱が起きてしまいました。
私の本命・シルクジャスティスは、残念ながら８着。
メジロブライトはギリギリ掲示板に入り５着。
オフサイドトラップは８歳には見えない走りっぷりがさすがでした。
ここ数ヶ月重賞を勝ち続けているだけあった感じでした。
さて。レースが終わった後WINSでは、何とも云えない呆然とした雰囲気がありました。優勝したオフサイドを誉めるべきなのに、レースが終わった後もスズカの状態が気になっていました。ＴＶではまだスズカがどうなるかが分からないようだし、IDOの競馬情報は込み合っていて繋がらない状態。友人に電話したら「スズカはたぶんダメだと思う」と言っていたけど、何とか最悪の状態にならないで欲しい、１％でも助かって欲しい、と家に帰るまで心の中で祈っていました。
しかし、その願いは届きませんでした…。 夕方のニュースでスズカが安楽死処分になった事を知り、一気に力が抜けてしまいました。そして部屋に戻った時、じわじわと悲しみが湧いてきました。呆れる位凄かったあの走りがもう二度と見られない、そして種牡馬として彼の数々の「遺産」を子供達に残す事も出来ない…。この前ナリタブライアンが亡くなったばかりなのに、その上スズカを失うことになってしまうとは……。
今日の出来事を機に、改めて思いました。
「レースで走る馬たちは、無事に完走して欲しい」と。武豊騎手は、自分の騎乗でスズカが…と思っているかも知れない。
彼の気持ちを考えると何と声を掛けたらいいか、分かりません。
でも一日でも早く立ち直って、これからも頑張って走って欲しいと思います。
きっとスズカは天国からユタカの事を見守ってくれるはずだから……。
サイレンススズカのご冥福を心からお祈りしています。 |
| Last Update:1998/11/20
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